
ますます縮むニッポン : 24年の出生数72万人―9年連続過去最少更新、死亡数増加で人口減加速
経済・ビジネス 家族・家庭 社会
「少子化対策」「子育て支援」―選挙の公約となり、予算編成時期には重要政策として注目される。しかし、当事者たちの琴線には触れないのか、出生数が下げ止まる気配はない。ますます少子高齢化が進み、縮んでいくニッポン。
他の言語で読む
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2024年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年速報値より3万7643人少ない72万988人だった。9年連続で過去最少を更新。1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込んだ2022年からわずか2年で、今度は70万人割れが目前に迫ってきている。出産期に当たる世代が減少していることに加え、コロナ禍の間に婚姻数が低迷したことが影響したとみられる。
速報値は、日本在住の外国人や在外日本人の数が含まれる。6月に発表される確定値は、日本に住む日本人の数で集計するため、速報値より少なくなるのは確実。
日本の人口動態
2024年 | 2023年 | |
---|---|---|
出生数(人) | 72万0988 | 75万8631 |
死亡数(人) | 161万8684 | 159万0503 |
自然増減(人) | ▲89万7696 | ▲83万1872 |
婚姻数(件) | 49万9999 | 48万9281 |
離婚数(件) | 18万9952 | 18万7798 |
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成、23年22年ともに速報値
死亡数は前年比2万8181人増の161万8684人で過去最多を記録。人口の自然減(出生数と死亡数の差)は21年に初めて60万人を超えたが、22年は78万2305、23年は83万1872人24年は89万7696人と年を追うごとに人口減に拍車がかかっている。
日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年以降は自然減の幅が拡大している。
24年の婚姻件数は、49万9999組と前年比1万718組増加したものの、低迷が続いている。日本ではいまだに婚姻前や婚姻外の妊娠を歓迎しないムードが強く、婚姻件数の低迷が続く限り、出生数の回復は期待しづらい。
バナー写真 : PIXTA