
日本のコミック市場:2024 年の販売額(推定)は過去最高の7043 億円 7年連続のプラス成長
経済・ビジネス 文化
出版業界全体が衰退の傾向にある中、好調なのがコミック。24年の推定販売金額は初めて7000億円を突破した。
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出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、日本のコミック(マンガ)の2024年の推定販売額は、紙媒体と電子媒体を合わせた総額で前年比 1.5%増の7043億円となり、過去最高を更新した。出版市場におけるコミックのシェアは同1.3ポイント増の44.8%に達した。
コミック市場は2020年、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要を追い風に、販売額が初めて6000億円を突破。それからわずか4年で、7000億円の大台を超えた。プラス成長は7年連続となった。
媒体別でみると、スマートフォンなど携帯端末などを通して読む電子コミックの売り上げが前年比6.0%増の5122億円、紙のコミックス(単行本)が同8.6%減の1472億円、コミック誌が同9.7%減の449億円となっている。
近年の傾向をみると、紙媒体のコミックは20年、21年に大きく伸びたものの、22年には減少に転じ、23年、24年にはコロナ禍前の19年の販売金額も下回った。これに対し、電子コミックは19年比で2倍近く市場規模が拡大している。
電子コミック市場拡大の要因について、同研究所は「電子ストアの積極的な広告出稿やキャンペーンが奏功。映像化作品だけでなく、独占先行配信・ストアオリジナル作品などがけん引して売り上げを伸ばしている」と分析している。紙コミックスについては「読者の電子への移行が進んでいる」としている。
下図は、主な少年週刊コミック誌の印刷部数の推移。マガジン、サンデーはこの6年で、印刷部数が半分以下に落ち込んでいる。
バナー写真:PIXTA