Japan Data

日本のLNG輸入先 :90年代インドネシア、2010年代豪州、次は米国シェアトップの時代が来る?

経済・ビジネス 政治・外交 文化

東日本大震災以降、多くの原発の稼動が停止している中で、LNG火力発電の存在感は大きい。日本のLNGの輸入は2023年度はオーストラリアがシェア4割を超えていたが、今後、米国がシェアを伸ばすことになるのか?

石破茂首相とトランプ米大統領は2月7日の首脳会談で、日本が米国産の液化天然ガス(LNG)の輸入を拡大することで合意した。対日貿易赤字の圧縮を目指す米国と、エネルギーの安定供給先の確保を目指す日本の思惑が折り合った。

日本がLNGを初めて輸入したのは半世紀以上前の1969年。米国・アラスカからLNG船が、東京ガスの根岸基地(横浜市)に着岸、翌70年に世界初のLNG専燃の東京電力南横浜火力発電所が操業を開始した。その後、日本は東南アジアや中東等にもLNGの輸入先を拡大し、一次エネルギー供給に占める天然ガスの割合は、2014年度に24.5%となった。

90年代はインドネシアが最大の輸入先だったが、同国の経済成長・国内需要の増加に伴い、輸出量は漸減。代わって、近年はマレーシアとオーストラリアが二大輸入先となっている。

また、2000年代に入って、微粒子が堆積してできた地下深くのシェール層に閉じ込められたガス(シェールガス)を掘削する技術が確立され、北米を中心に商業生産が本格化。米国は天然ガス輸出国として存在感を高めつつあり、東京ガスは2018年から長期契約で米国からシェールガスの輸入を開始した。

2023年度の日本のLNG輸入総量は6488万トン。国別のトップ3は、オーストラリア2661万トン(シェア41%)、マレーシア1024万トン(同15.8%)、ロシア627万トン(9.7%)。これに続く米国582万トン(同9%)が大きくシェアをアップすることになるのか?

日本のLNG輸入先

バナー写真 : LNG船(PIXTA)

    この記事につけられたキーワード

    輸入 貿易統計 資源エネルギー庁 LNG

    このシリーズの他の記事