
日本酒輸出、米国向け金額・数量とも対前年20%以上の伸び : 韓国・フランスも過去最高額
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世界的な日本食ブームを背景に、日本酒の人気が高まっている。政府の積極的なプロモーションもあり、2024年の輸出先国・地域は過去最高の80となった。2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、さらなる認知アップを期待したい。
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日本酒造組合中央会のまとめで、2024年の日本酒輸出は金額ベースで前年比6.4%増の434.7億円、数量ベースで同5.8%増の3.1万キロリットルとなった。
国・地域別の輸出金額は中国が前年比6.3%減の116.8億円でトップ。景気後退で高級日本食レストランでの需要が落ちたほか、富裕な層がアウトバウンドに流れたことがマイナス要因となった。一方、米国は一時的な過剰在庫の整理が進み流通が正常化しことから、前年比25.9%増の114.4億円と中国に肉薄。数量も同23.1%増の8003キロリットルまで増えた。韓国も、金額29.1%増、数量16.8%増で共に過去最高を記録。
ワイン文化が浸透しているドイツ・フランス・イタリアでも過去最高額を記録するなど日本文化・日本食ブームが続き、富裕層向けのレストランで新たに日本酒を提供する機会も増えている。EU+英国の輸出額は同16.2%増約27.2億円となり過去最高を記録した。
1リットル当たりの輸出金額は1400円。前年より7円安くなったものの、10年前(2014年)の705円からは倍近い水準を維持。高級酒としてのブランディングに成功している香港、中国、シンガポールでは2000円以上となっている。
2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本文化や日本酒に対する関心・認知の高まりが期待できる。日本酒造組合中央会では、過去最高となったインバウンドから日本酒ファンを増やすほか、世界のトップレベルのソムリエを招へいし、日本酒の魅力を理解してもらう活動に力を入れるという。
バナー写真 : PIXTA