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刑法犯3年連続増加、73.8万件―警察庁犯罪統計 : 特殊詐欺、SNS型詐欺の被害急増

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誰だって楽して稼ぎたい。そんな気持ちにつけこみ、SNSで困窮した若者たちを集め、犯罪に追い込む闇バイトが横行している。警察庁がまとめた2024年の犯罪統計によると、特殊詐欺やSNS型詐欺の被害額は1989.5億円と過去最悪を記録した。

警察庁が公表した2024年犯罪情勢統計によると、刑法犯認知件数は前年比4.9%増の73万7679件だった。刑法犯の認知件数は2002年の285万件をピークに減少が続き、2021年に56万8000件で底をうち、22年から3年連続の増加。

24年は全体の7割近くを占める窃盗が前年比3.7%増の50万1507件となり、押し上げ要因となった。太陽光発電施設の銅線ケーブルなどを盗む「金属盗」は同27.2%増の2万701件に上り、統計を取り始めた20年から4倍増した。

詐欺は、認知件数が24.6%増の5万7324件、被害額は89.1%増の3075億円だった。オレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害額は前年比269億円増の721.5億円、SNSを利用した非対面型の投資詐欺・ロマンス詐欺は同821.8億円増の1268億円といずれも過去最悪となった。こうした事件の背後には、暴力団や匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が関与、短時間で高額なアルバイトを装って若者らを集め、犯行を実行させるケースが社会問題化した。詐欺の犯行動機としては「生活困窮」が39.9%で最も大きく、その割合は増加傾向にある。 

刑法犯認知件数

殺人、強盗、放火、不同意性交や不同意わいせつ、略取誘拐・人身売買などの「重要犯罪」は前年比18.1%増の1万4614件だった。中でも、不同意わいせつが同14.7%増6992件、不同意性交等が同45.2%増3936件と大幅に増加。23年の改正刑法で性犯罪に対処する刑事法が整備されたことや、性犯罪の被害申告・相談をしやすい環境の整備を推進したことが、認知件数の増加につながっているという。

重要犯罪の認知件数の推移

バナー写真:PIXTA

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