
京都市の宿泊税最高額を1泊1万円に:オーバーツーリズム対策拡充に向け条例見直し
旅と暮らし 社会
京都市が、ホテルや旅館の宿泊者から徴収する「宿泊税」を引き上げる条例改正案を2月の定例市議会に提出する。1泊の宿泊料金が10万円以上の場合、税額は1万円になるという。
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京都市は2018年に、宿泊税を導入。1泊当たり200円から1000円を課税し、市内全てのホテル、旅館などの宿泊者から徴収してきた。近年、外国人観光客が大幅に増加し、観光地周辺の混雑や交通渋滞など「オーバーツーリズム」が深刻化。この混雑緩和や問題の解決に向けた対策に多額な費用が見込まれることから、税額を引き上げる方針を決めたという。
下の表は、現行の税額と見直し案の比較。1泊10万円以上の高級ホテル、旅館に宿泊する場合、税額は10倍増の1万円となる。市議会で条例改正が可決された場合、26年3月の適用を目指すという。京都市によると、23年度の宿泊収入は、過去最高の52億円。税額引き上げ後は、126億円の税収を見込んでいるという。
京都市の宿泊税
現行 | 見直し案 | |
---|---|---|
6000円未満 | 200円 | 200円 |
6000円~2万円未満 | 200円 | 400円 |
2万円~5万円未満 | 500円 | 1000円 |
5万円~10万円未満 | 1000円 | 4000円 |
10万円以上 | 1000円 | 1万円 |
(注)修学旅行生の課税免除などは、改正後も現行制度を維持
宿泊税は、自治体が条例を制定し、総務相の同意を得た上で課税する地方税の一種。東京都が02年、大阪府が17年に導入に踏みきり、今年4月時点では全国13自治体にのぼる見通し。現行の税額としては北海道ニセコ町の最高2000円(最低ランクの税額は100円)が目立っていたが、京都市の改正案はこれを大きく上回る。
このほか、北海道や長野県、山梨県の富士山周辺や三重県の伊勢・志摩エリア、沖縄県など外国人客の多い観光地を中心に、宿泊税の導入検討を公表している自治体は全国50近くに上っている。
バナー写真:観光客で混雑する二年坂=2024年4月、京都市東山区(時事)