
2024年の企業倒産、11年ぶりに1万件超―東京商工リサーチ : 物価上昇、人手不足に苦しむ
経済・ビジネス 社会
最低賃金のアップが企業経営を圧迫。その上、賃金アップしても求人難。
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東京商工リサーチの「全国企業倒産状況」によると、2024年の負債総額1000万円以上の企業倒産は前年比15.1%増の1万6件だった。件数は3年連続で前年を上回り、2013年の1万855件以来、11年ぶりに1万件超となった。負債総額は2.5%減の2兆3435億3800万円と3年連続で2兆円を超えた。
2024年は為替相場の円安基調が続き、物価上昇に歯止めがかからず、人手不足や最低賃金の引き上げで人件費が上昇。コストアップ要因が重なり、コロナ禍の資金繰り支援で生じた過剰債務の解消が遅れ、経営を圧迫した。
要因別では、人手不足による倒産は前年から1.8倍増の289件で調査を開始した2013年以降で最多。内訳は、人件費高騰104件、求人難114件、従業員退職71件だった。コロナ対策として実施した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は567件で前年からは68件減少したものの、依然として高水準。
1000億円以上の大型倒産は、航空機開発製造のMSJ資産管理(旧三菱航空機、6413億円)の1件だけで、 負債額1億円未満の倒産が7478社と全体の4分の3を占めた。
産業別では主要10産業のうち金融・保険業と不動産業を除く8産業で前年比プラス。サービス業が13.2%増の3329件と最多。2024年4月から時間外労働の上限規制が適用された建設業と運輸業は人材確保が一段と難しくなり、それぞれ前年比13.6%増、9.8%増となった。
バナー写真:PIXTA