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桜はまだだけど、梅のお花見に出掛けよう!: 同じバラ科、見分けのポイントは ?
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梅は百花の魁(さきがけ)― まだ寒い時期からどの花よりも早く、先頭を切って咲く花が梅。一足早く、春の訪れを告げてくれる。
梅は中国原産、朝鮮半島を経由して日本に渡ってきたといわれている。奈良時代末期成立と考えられる『万葉集』には、100首を超える歌に梅が詠まれていることから、奈良時代にはすでに栽培され、貴人の目を楽しませていたのだろう。
梅と桜の見分け方
梅と桜は同じバラ科サクラ属。梅の方が開花時期が早いが、花の形状はよく似ている。品種や個体差によって一概には言えないが、分かりやすい見分けポイントは花のつき方と花びらの形。
- 梅は花は枝から直接生えているよう。桜は枝から軸を伸ばしてその先に花がつく。
- 梅の花びらは丸く、桜は先端に切れ目が入っているものが多い。
花梅は400種類以上あると言われ、野梅(やばい)系、緋梅(ひばい)系、豊後(ぶんご)系の3系統に分類される。公園の植栽や庭木としても多用されるので、お散歩がてら個性豊かな梅の花を探してみては?
野梅系
野梅から変化した原種に近い梅。中国から渡来した梅の子孫と言われる。枝は細く、花も葉も比較的小さい。花や葉も小ぶりだが、香りが際立つ。
初雁 立春の前に咲くので「早梅」「寒梅」などと呼ばれる。白~淡桃色のの極小輪の花をつける
思いのまま 1本の枝に白、ピンク、ミックスなどさまざまな花色が混ざって咲くのでその名が付けられた
御所紅 八重咲で雄しべが多く華やかな雰囲気
内裏(だいり) 白い花びらの先が薄紅色に染まっている
緋梅(ひばい)系
花色は紅色や緋色のものがほとんど。 実は花の色だけでなく、枝や幹を切ると内部が赤い。 庭木や盆栽に使われるものが多い。
紅千鳥 明るい紅色の中輪一重咲き
蘇芳梅 「蘇芳」はインドネシア原産のマメ科の植物で、濃い紅色の染料になる。黒味のある赤色から名付けられた
豊後(ぶんご)系
梅と杏(アンズ)との雑種。葉は大きく、育ちの良いものが多い。花は桃色のものが多い。
楊貴妃 八重咲の花びらが優雅に波打つ姿は絶世の美女の名にふさわしい。上品な甘い香り
八重揚羽 八重咲の大輪種。その名の通り、蝶が舞うような華やかさ
バナー写真:いなべ梅林公園と鈴鹿山脈(三重県) PIXTA