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地方は選択肢が少ない!―全都道府県計4700人に聞いた18歳意識調査 : 「育った街に将来も住みたい」トップは神奈川、最下位は和歌山

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若者が「生まれ育った街を離れる」人生の決断をする契機となるのが、大学進学や就職。しかし、「生まれ育った街を離れる」のは圧倒的に地方に住む人が多く、都会っ子は親元で家賃もかからず、食事の心配もなく不自由ない生活を続けるケースが多い。生まれた場所でスタートラインが違う?

少子高齢化と大都市への人口集中で、自治体の機能を維持していくのが難しい市町村が増えているという。2024年4月には人口戦略会議が、全国1729自治体の4割を超す744市町村が今後約30年間に消滅する可能性がある、とする予測を公表した。なぜ、人は都市に吸い寄せられるのか。

日本財団が2024年秋、全国47都道府県の17-19歳各100人、計4700人を対象に実施した識調査で、15歳当時暮らした町についての印象を聞いたところ、三大都市圏、地方圏ともに、「慣れ親しんでいて居心地が良い」が約9割を占め、多くの人が故郷に対する愛着があることが分かる。

しかし、「充実した暮らしができる」については、三大都市圏中心部が91.9%に対して、地方圏周辺部は72.5%と約20ポイントの差がついた。さらに違いが顕著だったのは「塾・習い事の選択肢が豊富」「将来の選択肢が豊富」の項目で。「将来の選択肢」については三大都市圏80.1%に対して、地方圏周辺部は37.7%とダブルスコア以上の差がついた。

15歳の頃暮らしていた街についての考え

「将来、15歳の頃暮らしていた都道府県で暮らしたいか?」の問に対して、都市圏中心部は女性・男性ともに4分の3がYesと回答しているのに対して、地方圏周辺部では2分の1程度にとどまった。

将来、15歳の頃暮らしていた都道府県で暮らしたい?

ちなみに、「15歳の頃暮らしていた都道府県で暮らしたい?」の問に対する「Yes」計が多い順に並べると、「神奈川」の84がトップで、「大阪」77、「東京」76が続いた。トップ10は三大都市圏を中心に政令市を擁する都道府県ばかり。一方、「Yes」計が最も少なかったのは「和歌山」41、関東圏では「茨城」47が少なかった。

将来、15歳の頃暮らしていた都道府県で暮らしたい? 都道府県別上位・下位

バナー写真 : PIXTA

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