一般会計、過去最大の115兆円―25年度予算案 : 社会保障と国債費で58%
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25年度の予算で税収は前年度当初予算比で9兆円近く増えて78.4兆円と過去最大。そのため、新規国債発行額は当初予算ベースで17年ぶりに30兆円を下回り28.6兆円。とはいえ…財政健全化とはほど遠い。予算の4分の1は国債=借金に依存している。
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政府が12月27日閣議決定した2025年度予算案の一般会計の総額は前年度当初予算比2.6%増の115兆5415億円と2年ぶりに過去最大を更新した。110兆円を超えるのは3年連続。
歳出の3分の1を占める社会保障費は、高齢化に伴う自然増や少子化対策などで1.5%増の38兆2778億円と過去最高を更新。また、過去に発行した国債の償還や利払いに充てる国債費は4.5%増の28兆2179億円と歳出のほぼ4分の1に達しており、社会保障と国債費だけで全体の6割を占める。防衛費は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、9.5%増の8兆6691億円に膨らむ。
歳入のうち、税収は6年連続で過去最高を更新する78兆4400億円を計上。物価上昇や堅調な企業業績に加えて、24年度に実施した定額減税による減収の影響が無くなることも押し上げ要因となっている。
歳入不足を補うための借金=新規国債発行額は、19.2%減の28兆6490億円で、当初予算ベースで17年ぶりに30兆円を下回る。歳入に占める借金の割合を示す国債依存度は24.8%。
国債発行残高は年々、積み上がり、2025年度末時点で1128兆円に達する見通し。利払い費は10.5兆円に達する。「金利のある世界」回帰し、長期金利が上昇すれば利払い費負担がさらに財政を圧迫することになる。
バナー写真 : PIXTA