さよならシンシン&リーリー : 中国へのパンダの返還相次ぎ、日本での飼育は6頭に
環境・自然・生物 社会 政治・外交
見ている人もなぜだかみんなタレ目になってしまう人気者パンダ。いずれも中国から期限付きで借り受けているもので、いつかは返還しなければならない。上野動物園のシンシンとリーリーは生まれ故郷で病気の治療を受けられるよう、協定期限を前倒して9月29日に返還することが決まった。寂しくなるね。
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リーリーとシンシンが中国へ
東京都は上野動物園(台東区)のジャイアントパンダ シンシン(♀)とリーリー(♂)を9月29日に中国に返還する。最終観覧日は同28日。
2頭は2005年に中国で生まれ、11年に日本に貸与された。中国野生動物保護協会との協定で2026年2月20日まで飼育することになっていたが、2頭とも高齢となり病気の症状があることから、生まれ故郷で治療を受けるのが望ましいとの判断になった。
2頭の間には17年にシャンシャン(♀)、21年に双子のレイレイ(♀)とシャオシャオ(♂)と3頭の子どもがいる。シャンシャンは協定に基づいて23年に中国に返還された。シンシンとリーリーが9月に中国に帰ると、残るはレイレイとシャオシャオだけになる。2頭の返還期限は26年2月20日で、あと1年半しかない。
パンダ界のビッグダディも23年に中国に返還
パンダ飼育の成功事例として世界的にも注目されているのは、和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド(AW)」だ。1992年生まれで、2歳の時に日本にやってきた永明(えいめい♂)は2001年以降、ほぼ2年に1回のペースで繁殖に成功し、20年までに16頭のパパとなった。このうち13頭は中国に返還。永明も23年に中国に帰った。
現在は永明のパートナーだった良浜(らうひん♀)と、2頭の間に生まれた結浜(ゆいひん♀)、彩浜(さいひん♀)、楓浜(ふうひん♀)のメス4頭で暮らす。
阪神大震災からの復興支援として2000年7月に中国から貸与され、神戸市立王子動物園(灘区)で飼育していたタンタン(♀)は、24年3月に28歳で死んだ。タンタンは2回出産したものの、死産や生後間もなく死亡し、子宝には恵まれなかった。
バナー写真:中国への返還が決まったシンシン(左)と、23年に返還された娘のシャンシャン(2018年撮影、ロイター)