SNSの時間増えると正答率低下 小中学力テスト
社会 教育 技術・デジタル
小中学生の交流サイト(SNS)や動画の視聴時間が長くなっている。全国学力テストでは、長時間になるほど正答率が低下する傾向がみられた。
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全国の小学6年生と中学3年生を対象に2024年4月に実施されたアンケート調査で、交流サイト(SNS)や動画の視聴にかける時間が22年度に比べて延びていることが判明した。アンケートは文部科学省の24年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に合わせて行われた。SNSなどの利用時間が長くなるほど、学力テストでの正答率が低下する傾向がある。
携帯電話やスマートフォンを使ってSNS、動画を視聴する時間(平日1日あたり)は、小6で「4時間以上」と答えたのは11.8%、22年度比0.9ポイント増えた。「3時間以上4時間未満」は8.7%で同0.1ポイント減った。
中3では、「4時間以上」が17.9%(22年度比2.5ポイント増)、「3時間以上4時間未満」が14.2%(同0.4ポイント増)。合わせると、中3の3人に1人が1日3時間以上をSNSに費やしていたことになる。
全国学力テストは小6が国語と算数、中3が国語と数学を受けた。アンケートとのクロス集計では、SNSなどの利用時間が長くなるほど、各教科で正答率が低下していた。大きな差があったのは中3数学で、利用時間が「4時間以上」のグループと「30分未満」のグループでは、平均正答率で18.5ポイントの開きがあった。小6算数でも16ポイントの差が出た。
一方、「スマホなどを持っていない」グループは、利用時間が「30分未満」のグループよりも各教科の平均正答率が低かった。文科省の担当者によると、スマホを持っていないグループは、収入、学歴など「家庭の社会経済的背景」(SES、Socio-Economic Status)が低い可能性があると指摘。「高SESのグループよりも正答率が低下する傾向にある」としている。
バナー写真:PIXTA