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若年層の痴漢被害、電車内・駅に集中―内閣府調査 : 「被害通報せず」8割

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若年層を対象とした調査で、痴漢に遭っても、警察や鉄道会社などに知らせなかった人が8割だった。被害者の側にも「痴漢は犯罪」との意識が十分に浸透していない。

内閣府が16-29歳の若年層を対象に実施した痴漢被害調査で、約1割の人に被害経験のあることが分かった。政府が痴漢被害に焦点を当てた調査するのは初めて。

調査は2023年3月に内閣府や警察庁などがまとめた「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」に基づき、24年2月に2段階で実施。3万6231人を対象としたスクリーニング調査で、女性の13.6%、男性の3.6%が被害に遭った経験があることが判明。

被害に遭った場所は、「電車内」62.8%が最も多く、「駅構内」7.2%と合わせると70%に達した。他に「路上」13.0%、「(ショッピングモールなど)商業施設」4.3%など。被害の内容としては、「服の上から触られた」73.6%が最も多く、「体を密着された」29.7%が続いた。

被害に遭った場所

被害様態

被害に遭った際に、「(とっさのことで)何もできなかった」42.7%、「怖くて体が動かなかった」32.5%、「我慢した」30.3%など、抵抗できなかった人が多かった。

被害に遭った時の対応

周囲の人に助けを求めたり、あるいは、周囲の人が痴漢被害に気づいた場合の対応としては、「(加害者から離れるよう)物理的な移動を助けてくれた」「声を掛けてくれたがそれぞれ30%強。「加害者にやめるよう働きかけた」14.7%、「加害者を捕まえた」9.6%など直接的な行動を取る人もいた。一方で、「何もしてくれなった」も22.4%だった。

周囲の人が取った対応

被害に遭っても、80.4%が警察や駅員など関係機関に連絡しなかった。警察に通報しなかった理由としては、「おおごとにしたくなかった」44.6%、「通報するほどのことではないと思った」38.7%だった。

被害を知らせたか

バナー写真 : PIXTA

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