労働災害:23年の死亡者数は過去最少の755人 休業4日以上の死傷者数は増加
社会 仕事・労働
日本の労働災害による死亡者は近年大きく減少。一方、死傷者数は横ばいから漸増傾向にある。
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厚生労働省によると、2023年の労働災害による死亡者数(新型コロナウイルス感染症によるものを除く)は、755人(前年比19人減)で、過去最少となった。休業4日以上の死傷者数は13万5371人(前年比3016人増)と、3年連続で増加した。
新型コロナウイルス感染症り患による労働災害での死亡者数は4人(前年比13人減)、死傷者数は3万3637人(前年比12万2352人減)だった。
労働災害の死亡者数は、30年前の1990年代は2000人を超えていたが、現在はその半数以下に減少した。一方、休業4日以上の死傷者数は、2009年に10万5718人を記録した後、ここ10年ほどはゆるやかに増加している。
業種別にみると、最も死亡者が多いのは建設業で、23年は223人(全体の30%)、製造業は138人、トラックなどの陸上貨物運送事業が110人だった。休業4日以上の死傷者数をみると、業種別トップは製造業の2万7194人だった。
労働災害の死傷者を出した事故で最も多いのは「転倒」で、3万6058人(全体の27%)。次いで「動作の反動・無理な動作(によるけが)」が2万2053人(同16%)、「墜落・転落」が2万758人(15%)と続いた。
休業4日以上の労災の3割が60歳以上
厚生労働省によると、2023年の雇用者全体に占める60歳以上の割合は18.7%で、この20年間で約9ポイント上昇している。労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の割合は29.3%で、こちらも10ポイント以上上昇している。
労働災害の発生率をみると、労働者1000人当たりの年間発生率(死傷年千人率)は、60歳以上で4.022。30代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっている。
バナー写真:PIXTA