しょうゆの海外消費量がこの10年で5割増:2022年は35万kl―日本食ブームが追い風
経済・ビジネス 食
「和食」が2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されてから10年。世界的な日本食ブームを追い風に、しょうゆの海外消費量が大きく増えている。
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日本醤油協会などが設立した情報発信機関「しょうゆ情報センター」(東京)によると日本のしょうゆメーカーの海外工場産量は2022年実績で31万2000キロリットル。輸出量は約4万1000キロリットルで、この2つを合わせた「海外消費量」は35万3000キロリットル。これは、一般的な大型原油タンカー(VLCC)の積載量の1.1倍にあたる。
この海外消費量は、2002年は16万トン、12年は22万9000トンだった。グローバルな需要は20年で倍以上、この10年でも5割増しとなった計算だ。
業界最大手のキッコーマンが米ウィスコンシン州に海外初のしょうゆ工場を建設し、出荷を開始したのが、50年前の1973年。現在、日本メーカーの海外生産拠点は13カ所に増え、米国のほかにも中国、台湾、シンガポール、オランダ、英国、タイ、ブラジルにしょうゆ工場がある。
国内需要は減少傾向
一方、国内のしょうゆ年間出荷数量(輸出分を含む)は2023年実績で68万3340キロリットル。出荷量のピークは1979年の125万キロリットルで、この20年では約3割の減少となっている。
この背景として、人口減少や家庭料理の洋食化、外食の日常化などに加え、「つゆ・たれ類といったしょうゆベースの調味料が広く普及したことも大きく影響している」(同センター)という。
しょうゆを製造する企業数は年々減少しているものの、現在も1000を超える地場の醸造所が全国で操業を続けている。伝統的な製法や原材料にこだわり、高級品として欧州のレストラン向けに輸出を伸ばそうとしているしょうゆ蔵もある。
バナー写真:PIXTA