論文、リポートに生成AI活用 半数の大学生が利用経験
社会 教育 技術・デジタル
米オープンAIが開発した「チャットGPT」など生成AI(人工知能)の利用が、日本の大学生にも広がっている。論文やリポートの作成で活用が進む一方で、大学側には利用を制限する動きも出ている。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
全国大学生活協同組合連合会(東京)が実施した学生生活実態調査で、大学生の2人に1人の割合で「チャットGPT」などの生成AIを利用した経験があることが分かった。全体の3割は継続的に利用していた。
調査によると、チャットGPTなどを利用した経験があると回答した学生は、「継続して利用」(28.9%)と「利用したが今はしていない」(17.8%)とを合わせ、46.7%だった。「利用していないが今後使ってみたい」としたのは28.2%で、利用が今後広がる可能性を示唆している。
生成AI利用の目的を尋ねると(複数回答)、「論文・リポートの作成の参考」(22.1%)、「翻訳・外国語作文」(12.1%)、「相談・雑談相手」(11%)が上位だった。
調査は2023年10~11月、国公私立31大学に通う学部生を対象にオンラインを通じて行い、9873人から回答を得た。生成AIの利用に関する質問は、59回目となる今回の調査で初めて。
文部科学省は23年7月、AIによる出力内容をそのままリポートとして提出することについて、「学生自身の学びを深めることにつながらない」「意図せずともひょう窃に当たる可能性がある」などとして、AI利用に関するルールの整備を各大学に対して求めた。
東京大学は23年5月、太田邦史理事・副学長名で見解を表明。「授業課題を提出する際に、生成系AIツールが生成した文章等をそのまま自分の文章として用いることは認められない」とした。上智大学は23年3月、「使用を認めない。使用が確認された場合は厳格な対応を行う。ただし、教員の許可があればその指示の範囲内で使うことは可とする」との方針を教職員、学生に向けて示した。
バナー写真:「チャットGPT」と米オープンAIのロゴ(ロイター)