約6割が世帯年収200万円未満―ひとり親家庭の貧困 : 物価上昇でさらなる生活苦
社会 家族・家庭
フードバンク事業を展開するNPO法人の調査で、「食事の量の制限」「学用品の買い控え」など、困窮した生活を送るひとり親家庭が物価上昇の影響で一段と追い詰められている実情が明らかとなった。
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認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、同団体のフードバンク事業「グッドごはん」を利用するひとり親家庭を対象に、収入に関するアンケート調査(2月2-18日)を実施、2391人から回答を得た。
回答者(ひとり親家庭の保護者)の就労のみによる2023年の手取り年収は、「1円以上100万円未満」25.1%、「100万円以上200万円未満」43.4%と、200万円未満の世帯が7割近くを占めた。回答者の半数以上は非正規雇用で、家事や子育て、家族の介護、自身の健康問題など、様々な要因により思うように働く時間を確保できないケースも多かった。
各種社会手当や同居家族の収入も含む世帯年収でも「200万円未満」が58%とほぼ6割だった。
勤務先での2023年の賃上げの状況については、「自分の給料は変わらなかった」と回答した人が75%を超え、物価が上昇しても収入は上がらず、より困難な暮らしを余儀なくされている状況が浮かび上がった。
半数以上の回答者の家庭で、冷暖房器具の使用を控えたり食費を切り詰めたりするなど、日々の生活に支障が生じている。子どもの進学や習い事を断念する家庭も少なくない。
バナー写真 : PIXTA