日本のコミック市場:2023年の販売額は過去最高の6937億円、出版市場全体の4割以上
経済・ビジネス 文化
新型コロナによる「巣ごもり需要」効果で、大きく成長した日本のコミック市場。23年も好調を維持し、推定販売金額は過去最高を更新した。
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出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、日本のコミック(マンガ)の2023年の推定販売額は、紙媒体と電子媒体を合わせた総額で前年比 2.5%増の6937億円となり、4年連続で過去最高を更新した。出版市場におけるコミックのシェアは同2.0ポイント増の43.5%に達した。
コミック市場は2020年、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要を追い風に、販売額が初めて6000億円を突破。23年には7000億円にあと一歩もに迫った。
媒体別でみると、スマートフォンなど携帯端末などを通して読む電子コミックの売り上げが前年比7.8%増の4830億円、紙のコミックス(単行本)が同8.2%減の1610億円、コミック誌が同7.4%減の497億円となっている。『【推しの子】』(集英社)、『葬送のフリーレン』(小学館)などアニメ化で話題となった作品が大きく売り上げを伸ばした一方、紙の売れ行きは一部の人気作品に集中したという。
近年の傾向をみると、紙媒体のコミックは20年、21年に大きく伸びたものの、22年には減少に転じ、23年にはコロナ禍前の19年の販売金額も下回った。これに対し、電子コミックは19年比で2倍近く市場規模が拡大している。
1995年新年号で公称発行部数653万部を記録した集英社のコミック誌『週刊少年ジャンプ』は、現在113万部(日本雑誌協会が発表した2023年10-12月の平均印刷部数)余りとなっている。もちろん同社は、マンガ雑誌アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で作品を配信し、電子コミックに対応している。
下図は、主な少年週刊コミック誌の印刷部数の推移。マガジン、サンデーはこの5年で、印刷部数がほぼ半減している。
バナー写真:PIXTA