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日本での中長期滞在希望7割超―ウクライナ避難民アンケート : 仕事得るために、日本語の壁

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ウクライナから日本に避難し、夫と共に都内で暮らすジュリアさん。「夫は化学者で、日本でもその活動は続けられると思っているが日本語が壁になっている」という。「自分の気持ちを伝えたい、もっと高いレベルの話をしたいのに、日本語では子どものようなレベルの話しかできない。でも、ドネツク出身の彼には帰る場所がない。彼を支えるのは私しかいない」と、日本で暮らす覚悟を語った。

ロシアのプーチン政権がウクライナ侵攻に踏み切って2月24日で丸2年となった。欧米からの支援の停滞などで反転攻勢が思うように進まず、ウクライナにとって厳しい状況が続いている。女性や子ども、高齢者を中心に一時最大1500万人ものウクライナ人が国外に逃れ、日本もこれまで約2500人を受け入れている。

日本への避難民に対して渡航費や生活費の支援をしている日本財団が2023年11~12月に実施したアンケート調査(集計数1022人)では、「できるだけ長く日本に滞在したい」39%、「状況が落ち着くまでしばらく日本に滞在したい」34%と、7割以上の人が中長期の滞在を希望していた。

帰国の意思・希望

そうした中で、障壁となるのが日本語能力だ。2022年7月時点では7割近くいた「ほとんど話せない・聞き取れない」人は、直近の調査では31%まで減少。ただ、「日常会話ができる」「難しい話もできる」は合わせて26%にとどまり、日常会話にも不自由する人が全体4分の3を占める。

日本財団は、避難民に対して1人当たり年間100万円の生活費支援を実施しているが、期間は「最長3年」で、日本に長期滞在するには仕事を得て、自力で稼ぐことが必要となる。

調査では、「働いていない」540人、「働いている」482人。働いていない人のうち56.7%は「仕事を探している」と回答。全体の3割ほどが仕事をしたくても、得られていない状態が続いていることになる。また、働いている人も、75%がパートタイムの労働者だった。

働いているか?

給付金や生活支援物資の提供以外で必要な支援が何かを聞いたところ、「仕事の紹介・職業訓練」44.7%が最も多かった。

金銭・物資以外で必要な支援

2月21日、避難民のボヤルチュック・ジュリアさんとホデンコ・オレクサンドラさんが日本財団で避難生活の現状や心境を語った。

ドネツク出身の夫と都内で暮らすジュリアさんは「美しく、心の強い若者が大勢亡くなっている。早くこの地獄を終わらせたい」と、時折、言葉を詰まらせながら語った。大阪府摂津市で暮らすオレクサンドラさんは、ウクライナに残っている母親が病気で入院したため、帰国を決意。「日本の友人もでき、愛着もあるので寂しい気持ち。日本と関係のある通訳や翻訳あるいは大使館での仕事を探したい」という。

バナー写真 : ウクライナからの避難し日本で暮らすオレクサンドラさん(左)とジュリアさん(日本財団提供)

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