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「郵便離れ」20年余りで45%も減少:2022年度は144億通に

社会 経済・ビジネス

インターネットやSNSの普及、ペーパーレス化の波を受け、郵便物の数が大きく減っている。2022年度の郵便事業は211億円の赤字となり、総務省は24年秋をめどに「封書110円、はがき85円」への料金値上げを検討している。

日本郵便によると、2022年度の全国の郵便物引受数は前年度比2.8%減の144億4510万通。ゆうパック、ゆうメールなどの荷物を含めた引受総数は同3.4%減の185億3832万通(個)だった。23年度も減少傾向にあり、12月までの9カ月の実績をみると、郵便物が前年度比4.9%減、総数が同5.5%減となっている。

国内郵便の量は2001年度に262億通に達し、これをピークに減少傾向にある。22年度はピーク時より、実に45%も減少している。

郵便物の取り扱い総数の推移

同社が発表した2022年の郵便事業収支は、営業収益が1兆2556億円、営業費用が1兆2767億円と、211億円の赤字。国際郵便は35億円の黒字だったが、国内郵便だけで246億円の赤字を記録した。

郵便物の減少に伴い、切手類や印紙を販売するコンビニエンスストアやスーパーなどの数も減少している。2011年度に全国で14万カ所以上あった販売所は、21年度末に10万カ所を割り込んだ。郵便ポストの数は、この10年で8000個以上減って21年度末は17万6000個余りに。日本郵便が23年6月に行った調査では、1カ月あたりの投函(とうかん)数が30通以下のポストが4万3000個(全体の25%)もあったといい、さらなる削減の是非が検討されている。

郵便ポスト 切手販売所の数(年度末)

総務省は23年12月、手紙の定型封書(25グラム以下)の料金を現在の84円から110円に、はがきを63円から85円に値上げする方針を示した。実施時期は24年秋ごろを想定している。手紙の郵便料金は消費税の引き上げに伴う改訂を除き、1994年から据え置かれていた。値上げが実施されれば30年ぶりとなる。

はがき、手紙の料金推移

バナー写真:PIXTA

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