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訪日旅行消費、初の5兆円突破―観光庁 : 費目別では「買い物」から「宿泊」にシフト

経済・ビジネス 国際交流

2023年の訪日外国人数は、ようやくコロナ禍前の8割の水準まで戻した。一方、訪日外国人の消費額はコロナ禍を超えて初の5兆円突破。かつての爆買いツアーから、日本の伝統・文化を味わうために宿泊や飲食への支出を重視する傾向が出ている。

観光庁が発表した2023年の訪日外国人旅行消費額(速報値)は、5兆2923億円となった。コロナ禍前で過去最高額だった19年の4兆8135億円を大きく上回り、5兆円の大台を初めて突破した。新型コロナウイルス感染拡大による水際対策の撤廃で、5月以降の訪日需要が急回復したことに加え、円安や物価高が消費額を押し上げた。1人当たりの支出額も21.2万円と、19年の15.9万円から拡大した。

費目別では最も多かった宿泊費で1兆8289億円、次いで買い物代1兆3954億円、飲食1兆1957億円だった。構成比でみると宿泊費は19年の29.4%から23年は34.6%に増え、買い物代は34.7%から26.4%に減っており、買い物ツアーから宿泊や飲食など日本文化ら触れる旅へとシフトしてきていることがうかがえる。

年間の旅行消費額推移

国・地域別の消費額シェアは、台湾14.7%、中国(香港・マカオを除く)14.4%、韓国14.1%のトップ3がきっ抗。米国11.5%、香港9.1%が続いた。2019年には全体の3分の1強を占めていた中国が回復すれば、さらなるインバウンド消費の伸長が期待できる。

国・地域別の訪日外国人旅行消費 2023年

国・地域別の訪日外国人旅行消費 2019年

バナー写真 : PIXTA

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