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企業倒産、4年ぶりに8000件超―東京商工リサーチ : 物価高・人手不足が深刻化

経済・ビジネス 社会

コロナ禍で弱まった体力が回復しないうちに、物価高騰や人手不足の波状攻撃。2023年の企業倒産は4年ぶりに8000件台となった。

東京商工リサーチの「全国企業倒産状況」によると、2023年の負債総額1000万円以上の企業倒産は前年比35.2%増の8690件となり、4年ぶりに8000件を上回った。負債総額は3.1%増の2兆4026億4500万円。

産業別で最多はサービス業他の2940件(前年比41.6%増)。人手不足や資材価格の高騰などが顕著な建設業が1693件(同41.7%増)、円安による原材料やエネルギーのコストアップが続く製造業が977件(同35.3%増)と続いた。

要因別では、物価高による倒産が645件と前年比2.2倍に急増。コロナ禍で停滞していた経済活動が本格化するなか、円安やロシアのウクライナ侵攻などを背景に、原材料や資材、原油などの価格上昇が物価高を招き、企業収益にも大きな影響を及ぼしている。

人手不足による倒産は、158件で、前年の2.5倍に急増、調査を開始した2013年以降で最多を記録した。「人件費高騰」は前年の8.4倍、「求人難」は同2.1倍。人材確保のための賃上げにとどまらず、健全な就労関係の維持などにも関わり、経営上の大きな課題に浮上している。

新型コロナウイルス関連倒産は3127件(前年比36.3%増)。コロナ対策として実施した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は1.4倍の631件だった。東京商工リサーチでは、「2024年4月にゼロゼロ融資の民間返済がピークを迎え、資金繰りが一段と厳しくなる企業が増えるとみられる。今年の企業倒産は1万件の壁を超える可能性も出てきた」と指摘している。 

企業倒産件数と負債総額の年次推移

バナー写真:PIXTA

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