一般会計、過去2番目の112兆円―24年度予算案 : 借金返済と利払いに27兆円
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24年度の予算で112兆717億円の歳出(=支出)のうち4分の1に相当する27兆90億円は国債費(=過去の借金の返済と利払い)が占める。税収だけでは歳入(=収入)が足りないので、34兆9490億円の新規国債を発行する(=新たに借金をする)。日銀が事務局を担う「金融広報委員会」のサイトには「借入れとは、先に消費をして、将来の収入からお金の返済をする行為です。消費をして満足感を得るのは“今の自分”。そのツケを払うのは“未来の自分”です」とある。
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政府が12月22日閣議決定した2024年度予算案の一般会計の総額は前年度当初予算比6.3%増の112兆717億円。予備費の圧縮などで、過去最大だった23年度当初予算を2兆3095億円下回り12年ぶりの減額編成となったものの、2年連続で110兆円を突破した。
歳出の3分の1を占める社会保障費は、高齢化に伴う自然増や少子化対策などで2.3%増の37兆7193億円と過去最高を更新。また、過去に発行した国債の償還や利払いに充てる国債費は7.0%増の27兆90億円と歳出のほぼ4分の1に達しており、社会保障と国債費だけで全体の6割を占める。防衛費は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、16.6%増の7兆9172億円に膨らむ。
一方、歳入は、税収は過去最大となる69兆6080億円を計上。消費税収、法人税収は増加するが、国民への還元として実施する定額減税により、税収全体としては0.2%の伸びにとどまる。歳入不足を補うための借金=新規国債発行額は、1.9%減の34兆9490億円。歳入に占める借金の割合を示す国債依存度は31.2%。
1980年代までは税収と歳出がそれほど大きくかい離しておらず、各年度の国債発行額は15兆円を上回ることはなかった。しかし、バブル経済の崩壊と長期の経済停滞で、たび重なる財政出動や減税政策で収支は悪化、国債発行残高は年々、積み上がり、2024年度末の国債発行残高は1105兆円となる見通し。
これまでは日銀による国債の大量に買い入れで金利は低く抑えられていたが、日銀は22年12月以降、長期金利の上昇幅を段階的に拡大しており、マイナス金利解除が視野に入る。これまで積み重ねてきた借金の利払い負担がのしかかり、いよいよクビが回らなくなるかもしれない…。
バナー写真 : PIXTA