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コロナ禍収束、企業の交際費も回復基調―帝国データバンク : 大阪、奈良が2トップ、関西以西の支出が多い傾向

経済・ビジネス 社会

政府・与党は、企業が接待で使う交際費について、非課税扱いにできる上限を、1人当たり5000円から1万円に引き上げる。24年度税制改正大綱に盛り込んだ。物価高騰で飲食費が上昇していることに加え、コロナ禍で苦境に陥った飲食業界を支援する狙いもあるという。

コロナ禍が収束し、取引先に対する接待、同業他社との情報交換会など、社外との交流活動が活発化している。

帝国データバンクが、2022年度決算のうち、「接待交際費」の支出動向が判明した企業約15万社・500万人分の交際費を推計した結果、社員1人あたりの1カ月の交際費の平均1万8192円で、前年度から2割超の大幅増となった。2019 年度には過去10年で最高額となる2万3383円に達したが、コロナ禍で接待自粛ムードが強まったこともあり、21年度は1万6653円と過去10年で最も少なかった。

11月までに判明した23年度決算企業の1人あたり交際費平均は約1万8400円/月 前後で推移しており、コロナ禍前で最高だった19年度の9割前後まで回復する可能性がある。

社員1人の月当たり交際費の推移

支出額別では、22年度で最も多かったのが社員1人あたり「1000~5000円」で24.7%を占めた。全体では、「1万円未満」の合計が 50.9%、「1万円以上」の合計が49.1%と1万円を境にほぼ二分された状況。

2022年度の1人当たり交際費/月

業種別では、22年度の1人当たり交際費が最も高いのは「不動産業」の5万9515円。管理会社や協力先となる建設企業など、人的な交流範囲が多岐にわたることも要因とみられるとしている。「職別工事業」2万9000円、「自動車・自転車小売」2万3707円など、1人あたり1カ月2万円超が8業種だった。都道府県別で1人当たり交際費が最も高いのは「大阪府」2万8324円、以下、「奈良県」2万5366円、「福岡県」2万3732円と続き、関西以西の企業で交際費を多く支出する傾向が目立った。

都道府県別交際費支出

交際費支出が多い業種(2022年度)

業種別上位 交際費/月(円)
不動産 59,515
職別工事業 29,000
自動車・自転車小売 23,707
専門サービス(会計事務所等) 22,549
設備工事業 21,919

職別工事業は建設現場などでの下請け工事を請け負う事業者
出所 : 帝国データバンク

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