地元の公立学校を地域で支える:「コミュニティースクール」が1万8000校超える
社会 教育
子供の保護者や地域住民らが学校運営に参加する「コミュニティースクール」。全国で1万8000校を超え、公立学校の過半数に達した。
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文部科学省の調査によると、コミュニティースクール(地域運営学校)に指定された公立小中高校などは、2023年5月1日時点で1万8135校となり、この1年で2914校増加した。全国の公立学校計3万4687校に占める割合は52.3%となった。
導入状況を学校種別にみると、幼稚園341園(導入率14.0%)、小学校1万812校(同58.6%)、中学校5167校(57.3%)、義務教育学校152校(75.2%)、高校1144校(33.2%)、中等教育学校8校(22.9%)、特別支援学校511校(45.7%)となった。
学校種別のコミュニティースクール内訳(2023年5月現在)
導入校数 | 導入率 | |
---|---|---|
幼稚園 | 341 (16) | 14.0% |
小学校 | 10832 (1691) | 58.6% |
中学校 | 5167 (880) | 57.3% |
義務教育学校 | 152 (41) | 75.2% |
高校 | 1144 (169) | 33.2% |
中等教育学校 | 8 (1) | 22.9% |
特別支援学校 | 511 (116) | 45.7% |
合計 | 18135 (2914) | 52.3% |
カッコ内は前年度比増加数
文部科学省調べ
コミュニティースクールは、保護者や地域住民らがメンバーとなる学校運営協議会を設置し、学校運営に地域の意見を反映させる制度。04年の地方教育行政法改正を機に創設された。17年に設置が各教育委員会の努力義務となってから大幅に増え、23年5月現在では全国平均で74.3%の自治体が導入している。
主な事例として、岡山県浅口市ではこの制度を活用し、教員の働き方改革などを目的に学校業務の「棚卸し」に取り組んだ。教職員と保護者・地域住民が熟議を重ねた上で、一部の業務廃止や簡略化を検討。2018年6月には教員一日あたりの超過勤務時間が前年同月比で3割近く減少したという。
また、広島県の県立庄原実業高校は、地元の庄原市と市内の小中学校、農協、商工会議所、県立広島大学などが学校運営協議会に参画。実習や「地域の課題発見、研究」への支援や最先端技術を持つ講師の派遣など、産学官が連携・協働した教育課程を計画的、体系的に実施している。
バナー写真:PIXTA