10月の訪日外国人251万人超―政府観光局 : 円安追い風、初のコロナ禍前比プラスに
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街中でも、電車の中でも、外国人ツーリストをみかけることが多くなった。1ドル=150円前後の円安で、コロナ禍前よりも日本旅行にお得感が出ているようだ。
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日本政府観光局がまとめた2023年10月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月(49万8646人)の5倍強の251万6500人と、5カ月連続の200万人超え。2019年同月比較では0.8%増となり、初めて「コロナ禍前比プラス」に転じた。
訪日客数は20年に急減したが、水際対策の緩和・撤廃が進み昨秋以降、急回復している。1~10月累計の訪日客は1998万1100人で、19年同期の73.9%の水準となっている。政府は25年までに、通年で過去最高だった19年の3188万人を超える目標を掲げており、達成が視野に入りつつある。
訪日客の急回復の追い風となっているのは円安。コロナ禍前の19年は1ドル=110円程度だったが、直近では150円近傍で推移。おいしい食事、おもてなし心が行き届くサービスがコロナ禍前よりも割安に楽しめるのが人気となっている。
国・地域別では、韓国が63万1100人と最多で、台湾42万4800人、中国(香港・マカオ除く)25万6300人、米国21万1900人、香港17万9300人と続いた。韓国は元徴用工問題などで日韓関係が冷え切っていた19年同月の約3倍、米国は約4割増で、いずれも10月として過去最多。
一方、中国は19年(73万631人)比35.1%にとどまった。福島第1原発の処理水放出などをめぐり、対日感情が悪化していることも影響しているとみられる。コロナ禍前は全体の約3割を占めた中国客の動向が今後のインバウンド需要に大きく影響しそうだ。
バナー写真 : 渋谷のスクランブル交差点で撮影する訪日客(2023年10月 / 時事)