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この20年でガソリンスタンドの数は4割超減少:需要減や後継者難が背景に

経済・ビジネス 社会

ガソリンスタンドの数は年々減る一方。自家用車や農業機械などの給油、灯油の購入に不便をきたす地域も出ている。

資源エネルギー庁によると、全国の給油所の数は2022年度末で2万7963カ所。1年間で512カ所減った。02年度には5万カ所以上あったが、この20年で4割以上減少した。

全国の総給油所数とセルフ給油所数の推移

減少の背景には、燃費改善や「脱炭素」の取り組みが進むことでガソリン需要が落ち込んでいることに加え、地方では後継者不足の問題が指摘されている。2010年の法改正で石油製品を地下に貯蔵するタンクの安全対策が強化され、多くの給油所でタンク改修・交換が必要になった。収益悪化と経営者の高齢化により、多額の設備投資をあきらめて廃業するケースが続出した。

給油所の減少は、「自宅から給油所までの距離があまりにも遠い」「移動手段をもたない高齢者への灯油配送などに支障をきたす」など、地方の大きな問題になっている。同庁によると、21年度末時点で、居住地から最寄りの給油所まで道路距離で15キロ以上のエリアが存在する自治体の数は、全国で282市町村に及んでいる。

同庁はまた、12年度末時点から、域内に給油所数が3カ所以下の市町村を「SS(サービスステーション)過疎地」と定義し、公表している。21年度末は348市町村。うち、10の町村は「給油所ゼロ自治体」となっている。

下図に見るように、「SS過疎地」は大きな偏りなく、全国に分布している。都道府県別にみると、北海道が65と最多。次いで長野県35、奈良県20となっている。逆に栃木、茨城両県は0だった。

地域別の給油所(SS)過疎地割合

バナー写真:PIXTA

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