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11.6人に1人は体外受精児―日本産婦人科学会調査: 2021年、過去最多の7万人誕生

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世界を驚かせた「試験管ベビー」の誕生から40年以上。学校のクラスに2~3人は体外受精で生まれた子どもがいる時代となった。

日本産婦人科学会のまとめで、2021年に不妊治療で体外受精で生まれた子どもの数は、前年から9416人増え、過去最多の6万9797人となった。人口動態統計で21年の出生数は81万1622人だったので、11.6人に1人が体外受精で生まれた計算になる。治療件数は、16年以降は45万件前後で横ばいだったが、21年は過去最多の49万8140件となった。年齢別では、39歳が3万9631件と最多で、40歳、41歳と続いた。

体外受精は、妻の卵子と夫の精子を体外で受精させ、妻の子宮に戻す不妊治療。1978年に世界初の体外受精児が英国で誕生した際には、「試験管ベビー」として注目された。日本では、1983年に東北大で第1例目の体外受精児が誕生して以来、これまでに84万人以上がこの治療で生まれている。体外で受精した後に、胚をそのまま子宮に戻す方法と、一度凍結した胚を戻す方法があり、21年に体外受精で生まれた子どもの9割は凍結胚移植だった。

少子化対策の一環で、22年から体外受精などの不妊治療が新たに公的医療保険に適用されている。

体外受精の治療件数と出生児数の推移

バナー写真 : PIXTA

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