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日本の真珠輸出が急回復:23年上半期は前年同期比2倍超の223億円に

経済・ビジネス

コロナ禍で低迷していた日本の真珠輸出が急回復している。今年3月に香港で4年ぶりに国際見本市が開催され、中国向けの商談が活発化したことが背景にある。

農林水産省によると、2023年上半期(1-6月)の日本の真珠(天然・養殖)輸出金額は、前年同期比129.3%増の223億3000万円。6月単月では同193.4%増の67億8500万円だった。同省は「国際見本市開催で、高品質で人気の日本産真珠の需要が喚起された」と分析。6月には特に、香港やイタリア、中国への輸出額が大きく増加したという。

真珠(天然・養殖)の輸出実績推移

日本の真珠は世界でも評価が高く、水産物の中で主要な輸出品目。リーマンショック(2008年)に端を発した世界的な景気悪化で輸出が低迷した後、15年から19年の5年間は輸出額が300億円台に回復した。しかし、香港の情勢不安や新型コロナ感染症の影響により、20年は76億円に急落。その後、オンライン商談による業者間の直接取引が拡大し、21年、22年は回復基調となっていた。

下図は、2022年の真珠輸出額上位の国・地域とその割合。トップは香港で、輸出額構成比は72.7%となっている。2位の米国は9.5%。

真珠輸出の国・地域別構成比

農林水産省によると、2022年の日本の真珠養殖生産量は13.2トン。県別では長崎県、愛媛県、三重県が生産量のトップ3を占める。2019年に愛媛県と三重県を中心にアコヤガイの養殖場で大量死が発生し、その影響から生産量は減少傾向にある。

バナー写真:PIXTA

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