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若者に広がる大麻:摘発件数は高止まり 2022年は5546人―厚労省統計

社会

日本大学アメリカンフットボール部の部員が大麻と覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕され、あらためて若者の薬物乱用が注目を集めている。

厚生労働省の薬物情勢統計によると、2022年に警察、厚生労働省麻薬取締部、海上保安庁などによる大麻事件の摘発者数は、前年比4.1%減の5546人だった。過去最多だった21年からは減少したものの、依然高止まりしている。摘発者のうち30歳未満の割合は69.2%と過去最多を更新、若年層の乱用拡大が懸念される状況だ。

大麻関連事件の摘発人数と30歳未満の占める割合

薬物事件全体の摘発人数は近年横ばいで推移していたが、22年は前年より1787人(12.4%)減の1万2621人だった。薬物の種類別では、この10年で覚せい剤事犯が大きく減少しているのに対し、大麻事犯は増加傾向にある。大麻は個人でも栽培が可能なことや、覚せい剤に比べて安価なことから、SNSなどを通じて若年層に広がっていることが影響している。

薬物事件の摘発人数の推移

警察庁が21年10月から11月にかけて大麻取締法違反(単純所持)で検挙した911人について調査・分析したところ、初めて大麻を使用した年齢は20歳未満が最も多く、52.1%。20歳代が33.0%で、30歳未満で85.1%を占めた。

初めて使用した経緯については「誘われて」が最も多く、20歳未満で8割、20歳代で7割を占めた。大麻の入手先(譲渡人)を知った方法は、20歳未満の42.8%、20歳代の34.1%が「インターネット経由」と答え、そのほとんどがSNSを使用していた。

バナー写真:警視庁が押収した「乾燥大麻」=1999年3月(時事)

薬物 大麻 警察庁