2022年の水産物輸入額、円安で大幅増:過去最高の2兆円に―水産白書
経済・ビジネス
円安などの影響で、2022年の日本の水産物輸入額は前年比3割増え、過去最高の約2兆円となった。
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2022年度版の水産白書によると、22年の水産物の輸入量は前年比0.9%の222万トン。輸入額はウクライナ戦争勃発による供給網の混乱や、円安などにより大幅に上昇し、同28.6%増の2兆711億円に達した。
輸入額のトップはサケ・マス類(全体の13.4%)。ついでカツオ・マグロ類(11.2%)、エビ(10.7%)となっている。輸入先はトップが中国(全体の17.6%)で、以下チリ(9.5%)、米国(8.3%)、ロシア(7.5%)、ベトナム(7.4%)などの順。
22年の日本の水産物輸出量は前年比3.8%減の63.4万トン。輸出額は前年比28.5%増の3873億円。主な輸出先は中国(全体の22.5%)、香港(19.5%)、米国(13.9%)で、この3カ国・地域で輸出額全体の5割以上を占める。品目別ではホタテガイ(全体の23.5%)、ブリ(9.4%)、真珠(6.1%)が上位。政府は2030年の水産物輸出額の目標を1兆2000億円に設定し、ブリ、タイ、ホタテガイ、真珠、錦鯉を重点品目としている。
白書によると、2021年の漁業・養殖業生産量は前年比2万トン減の421万トン。生産額は同602億円増の1兆3999億円だった。漁業就労者数は12万9320人で、一人当たりの生産額は1083万円、生産漁業所得は532万円。
消費の動向をみると、21年度の食用魚介類の1人1年あたりの消費量は23.2キロ(概算値)で、ピークだった2001年度(40.2キロ)の半分近くまで減少している。
バナー写真:PIXTA