出生数、過去最少77万人―人口動態統計 : 少子高齢化で人口自然減は最大の79.8万人
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2022年の人口動態統計で、合計特殊出生率は過去最低に並ぶ1.26。出生数は77万人と、統計開始以来初めて80万人を割り込んだ。政府は「異次元の少子化対策」を掲げ、児童手当の拡充など年3兆5000億円に上る「こども未来戦略方針」の素案を示したが…果たして、長期に定着した少子化トレンドを止めることができるのか?
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厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2022年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より4万875人少ない77万747人と初めて80万人を割り込み、1899年の統計開始以来の最少を更新した。出生数は16年に100万人、19年に90万人を下回り、22年まで7年連続の減少。
また、1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は7年連続で減少し、前年より0.04少ない1.26となった。2005年と並ぶ過去最低水準となった。
長期に定着している未婚化・晩婚化の傾向に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で結婚式を開催しづらい状況が続き、20年、21年の婚姻数は戦後最少を更新。出生数の減少に拍車をかけたとみられる。
日本の人口動態
2022年(概数) | 2021年(確定) | |
---|---|---|
出生数(人) | 77万0747 | 81万1622 |
合計特殊出生率 | 1.26 | 1.30 |
死亡数(人) | 156万8961 | 143万9856 |
自然増減(人) | ▲79万8214 | ▲62万8234 |
婚姻数(件) | 50万4878 | 50万1138 |
離婚数(件) | 17万9096 | 18万4384 |
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成
死亡数は前年比12万9105人増の156万8961人と戦後最多。人口の自然減(出生数と死亡数の差)は初めて60万人を超えた21年から一挙に17万人近く増え、79万8214人と過去最大を更新した。
日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年以降は自然減の幅が拡大している。
21年の婚姻数は前年よりも2万4391組(4.6%)減の50万1116組まで減少、戦後最少を記録した。コロナ禍で結婚を延期した人に加え、将来不安から結婚を躊躇(ちゅうちょ)する人も増えているとされ、少子化から抜け出す糸口が見だせない。
バナー写真 : PIXTA