
梅雨シーズン到来:2022年は「異例ずくめ」、今年は?
社会 防災 気象・災害
5月18日に沖縄、奄美が梅雨入りし、6月に入ると九州以北(北海道を除く)でも順次梅雨入りが宣言される見通しだ。2022年は東日本、西日本を中心に6月下旬から7月上旬にかけて猛烈な暑さが続いたほか、北陸などで梅雨明けが特定できないなど、異例ずくめの梅雨だった。
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2022年の各地の梅雨入り、梅雨明け時期と、それぞれの平年値は下図の通り。当初は九州南部から東北南部の各地で、6月27日から29日にかけて次々に「梅雨明け宣言」があり、記録的に短い梅雨として報じられた。
しかし、9月に発表された確定値では、九州南部から関東甲信までの梅雨明け時期は7月下旬に修正され、北陸と東北南部、東北北部では「時期は特定できない」とされた。7月上旬から西日本や東日本では再び曇りや雨の日が多くなったことで、6月下旬からの晴天・猛暑が「梅雨の中休み」だったと判断されたためだ。
2022年の梅雨入り・梅雨明けおよび平年値
2022年梅雨入り(平年日) | 2022年梅雨明け(平年日) | |
---|---|---|
沖縄 | 5月4日 (5月10日) |
6月20日 (6月21日) |
奄美 | 5月5日 (5月12日) |
6月22日 (6月29日) |
九州南部 | 6月10日 (5月30日) |
7月22日 (7月15日) |
九州北部 | 6月11日 (6月4日) |
7月22日 (7月19日) |
四国 | 6月11日 (6月5日) |
7月22日 (7月17日) |
中国 | 6月11日 (6月6日) |
7月26日 (7月19日) |
近畿 | 6月14日 (6月6日) |
7月23日 (7月19日) |
東海 | 6月14日 (6月6日) |
7月23日 (7月19日) |
関東甲信 | 6月6日 (6月7日) |
7月23日 (7月19日) |
北陸 | 6月6日 (6月11日) |
ー (7月23日) |
東北南部 | 6月6日 (6月12日) |
ー (7月24日) |
東北北部 | 6月6日 (6月15日) |
ー (7月28日) |
2022年の北陸、東北南部、東北北部の梅雨明けは特定できず
(気象庁資料)
平年では、東京、大阪、名古屋、福岡など九州北部から関東甲信にかけては6月上旬に梅雨入りし、7月20日前後に梅雨明けする。梅雨期の降水量は、九州北部では500~600ミリ程度、関東甲信や東海では300ミリ程度となっている。
降水量は年によってばらつき
関東甲信の、過去30年間余りの梅雨期の平年比降水量は下図の通り。年によってかなりばらつきがあり、1990年のように、平年の半分しか雨が降らない「空梅雨」のケースも。逆に2020年は梅雨明けが8月1日と遅く、平年の1.7倍の降水があった。
梅雨末期には降雨量が多くなることが多く、集中豪雨による河川の氾濫、土砂災害などに十分な警戒が必要だ。この5年間の、梅雨シーズンに起きた豪雨被害は次の通り。
梅雨シーズンに起きた近年の主な豪雨被害
2022年8月3日~13日 | 青森県から福井県にかけて線状降水帯が発生し、東北地方で記録的な大雨による土砂崩れ、冠水被害が相次いだ。 |
21年7月1日~3日 | 北上した梅雨前線に暖かく湿った空気が次々に流れ込み、東海地方・関東南部で記録的な大雨。熱海市で土石流が発生し、26人死亡、1人行方不明。 |
20年7月3日~31日 | 長く停滞した前線の影響で西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨。4日から7日にかけて九州で記録的な大雨となり、球磨川など多くの河川が氾濫。熊本県などで死者84人。 |
18年6月28日~7月8日 | 西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨。広島、岡山両県などで死者220人以上に及び、うち岡山県倉敷市真備町だけで51人が死亡した。 |
バナー写真:PIXTA