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いまだにブラック職場! : 中学教諭36.6%が過労死ライン超の残業

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1971年制定の教職員給与特別措置法は残業代を支払わない代わりに、基本給の4%相当を「教職調整額」として上乗せして支払うと定めている。授業以外にも、部活動の指導や、親からの進学についての相談、学校行事の準備など先生の業務は多岐にわたる。でも、どれほど長時間残業しても報われない職場。先生のなり手不足が深刻化しているのも無理もない。

文部科学省が6年ぶりに実施した2022年度の教員勤務実態調査(速報値)で、平日1日当たりの平均勤務時間は、小学校が10時間45分、中学校は11時間1分だった。いずれも前回の2016年調査より約30分短くなったが、教諭の所定勤務時間7時間45分を大きく上回っている。

文科省は残業上限は原則「月45時間、年360時間」とする指針を定めているが、小学校の64.5%、中学校の77.1%はこの基準を上回る長時間労働で、小学校の14.2%、中学校の36.6%は「過労死ライン」を上回る月80時間超の残業に追われている。文科省は、教員や学校支援スタッフの増員と部活動の見直し、情報通信技術(ICT)導入などの働き方改革を進めてきたが、さらなる改善が求められる。

小・中学校教諭の1カ月の残業時間

調査は全国の公立小中学校を1200校ずつ抽出。小学校は1191校1万7762人、中学は1186校の計1万7477人の教諭や校長から回答を得た。

バナー写真 : PIXTA

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