縮むニッポン : 50年後の人口8700万人、4割が高齢者に―国立社会保障・人口問題研究所推計
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2008年をピークに減少に転じた日本の人口。国立社会保障・人口問題研究所の長期推計によれば2056年には1億人を割る見通しだ。今や、人口減を食い止める策を考えるよりも、人口減を前提にした社会の在り方を模索するのが現実的なのかも。
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厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した「将来推計人口」によると、2020年に1億2615万人だった日本の総人口は、56年に1億人を割り、70年に現在よりも3割減の8700万人に落ち込む。外国人の入国超過数をコロナ禍前の状態が続いたと仮定し、前回推計(17年)の7万人から16万人に増えると見積もったため、1億人割れの時期は3年遅くなったが、少子高齢化・人口減のトレンドは変わっていない。
戦後、日本の人口は右肩上がりに増加。高度経済成長期真っただ中の1967年に初めて1億人を突破した。2008年に1億2808万人のピークをつけた後は減少に転じている。2070年の8700万人は、敗戦の痛手から立ち直りきっていない1953(昭和28)年の水準とほぼ同じだ。
2070年の人口構成は、65歳以上の高齢者が3367万人で、総人口の38.7%と4割近くを占める。一方、15~64歳の生産年齢人口は4535万人となり、1人の高齢者を支える人数は20年の2.1人から1.3人へ減少。生産・消費の担い手であるはずの現役世代が社会保障負担に押しつぶされかねない。0~14歳は70年に797万人で人口の1割を下回り、社会の活力低下も懸念される。
平均寿命は中位のケースで、男性が85.89歳、女性は91.94歳まで伸び、人生100年時代が現実のものとなる。
50年後の日本の姿
2020年(実績値) | 2070年(推計値) | |
---|---|---|
総人口 | 1億2615万人 | 8700万人 |
高齢者人口 | 3603万人(28.6%) | 3367万人(38.7%) |
生産年齢人口 | 7509万人(59.5%) | 4535万人(52.1%) |
年少人口 | 1503万人(11.9%) | 797万人(9.2%) |
外国人人口 | 275万人 | 939万人 |
合計特殊出生率 | 1.33 | 1.36 |
平均寿命 女性 | 87.72歳 | 91.94歳 |
平均寿命 男性 | 81.58歳 | 85.89歳 |
出所 : 国立社会保障・人口問題研究所
将来推計人口は国勢調査を基に5年に1度改定。コロナ禍で、今回は6年ぶりの改定となった。
バナー写真 : PIXTA