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暴力団勢力、2022年末時点で過去最少の2万2400人:検挙数は年1万人割り込む―警察庁調べ

社会

日本の暴力団勢力は衰退傾向にあるが、「半グレ」と呼ばれる犯罪グループ(準暴力団)の動きは活発化している。

警察庁のまとめによると、全国の暴力団構成員や準構成員らの2022年末時点の人数は、前年比1700人減の2万2400人。18年連続で減少し、統計が残る1958年以降で過去最少となった。

暴力団構成員・準構成員の推移

22年中に警察が検挙した暴力団員と準構成員は9903人(前年比1832人減)で、初めて1万人を下回った。暴力団勢力自体が縮小傾向にあり、摘発対象者が減ったことが背景にあるとみられる。

検挙者の内訳をみると、最も多かったのが覚せい剤取締法違反の2141人。以下、詐欺1424人、傷害1142人、窃盗847人、大麻取締法違反619人、恐喝453人など。殺人は79人だった。

構成員と準構成員らを合わせた主要団体の勢力は下表の通り。最大組織の六代目山口組は前年比400人減の8100人で、全体の36.2%を占めた。神戸山口組は結成時2015年に6100人いた勢力が、わずか760人に減少した。この両団体に絆会、池田組、住吉会、稲川会の主要団体を合わせると1万6100人で、全体の71.9%を占めている。

2022年末の暴力団主要団体の勢力

団体名 構成員(前年比増減) 準構成員(前年比増減)
六代目山口組 3800 (-200) 4300 (-200)
神戸山口組 330 (-180) 430 (-110)
絆会 70 (-20) 130 (-10)
池田組 70 (-10) 100 (-10)
住吉会 2400 (-100) 1400 (-100)
稲川会 1900 (0) 1200 (0)

警察庁のデータをもとに編集部作成

暴力団勢力が衰退傾向にある一方、 警察庁が「準暴力団」と定義し、「半グレ」とも呼ばれる集団の活動が活発化。同庁はグループ名や人数など具体的な勢力状況を公表していないが、「暴力団などの犯罪組織と共存共栄しながら、特殊詐欺などの違法な資金獲得活動をしている」と警戒を強めている。

バナー写真:特定危険指定暴力団工藤会の2次団体「石田組」の事務所の家宅捜索を終えた福岡県警の捜査員ら=2022年11月3日、福岡県春日市(時事)

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