日本のコミック市場:2022年の販売額(推定)6770億円、前年比微増も過去最高を更新
文化 経済・ビジネス
新型コロナによる「巣ごもり需要」効果で、2021年に10%以上も成長したコミック市場。22年は微増にとどまった。
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出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、日本のコミック(マンガ)の2022年の推定販売額は、紙媒体と電子媒体を合わせた総額で前年比 0.2%増の6770億円となり、3年連続で過去最高を更新した。出版市場におけるコミックのシェアは同1.1ポイント増の41.5%に達した。
コミック市場は2020年、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要に加え、『鬼滅の刃』が大ブームとなり、販売額が初めて6000億円を突破。21年も10.3%伸びたが、22年は微増にとどまった。
媒体別でみると、スマートフォンなど携帯端末などを通して読む電子コミックの売り上げが前年比8.9%増の4479億円、紙のコミックス(単行本)が同16.0%減の1754億円、コミック誌が同3.8%減の537億円となっている。
近年の傾向をみると、紙媒体のコミックが単行本、雑誌合わせて市場規模が2500億円前後と横ばい傾向。これに対し、電子コミックは5年間で2.5倍に市場規模が拡大している。1995年には3357億円あった紙のコミック誌の推定販売金額は、この25年余りで6分の1に減少した。
1994年に公称発行部数653万部を記録した集英社のコミック誌『週刊少年ジャンプ』は、現在126万部(日本雑誌協会が発表した2022年10-12月の平均印刷部数)となっている。もちろん同社は、マンガ雑誌アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で作品を配信し、電子コミックに対応している。
バナー写真:PIXTA