被災地でも「防災意識薄れている」77.4% : 時間の経過や “警報慣れ”
防災 気象・災害 社会
12年の歳月で少しずつ復興が進み、傷ついた人の身体や心も癒え、つらい出来事を振り返るよりも前を向いていたい気持ちが強いかもしれない。でも、節目の日に、改めて防災について考えることが、次なる自然災害への備えにつながる。
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未曽有の被害をもたらした東日本大震災から12年を迎えた。応用地質 (東京千代田区)が、特に被害の大きかった岩手・宮城・福島の3県に在住する18~69歳の男女1500人を対象に防災意識について聞いたところ、「薄れている」「どちらかというと薄れている」の合計が77.4%に達した。
「薄れている」と回答した人の約3人に1人が 、いわゆる“警報慣れ”を理由として挙げた。また、「風化させない取り組みが十分ではない」「被災経験者が減少」を指摘する人もおり、継続的に被災経験を伝える取り組みの重要性を示している。
「防災意識が薄れていない」と回答した人の理由としては、「震災の悲惨さを経験したから」67.5%が最も多く、「地震・津波に関する報道が多い」41.1%が続いた。
巨大地震や津波から確実に避難するために必要だと思うことで最も多かったのは、「正確な避難情報」57.5%、「避難施設の早期整備」44.0%、「災害弱者に対する行政の施策」41.7%が続いた。国や行政への期待が大きいことがうかがえた。
防災のデジタル化に対して期待することとして、「地震や津波の予測精度の向上」57.5%や「空振りの少ない避難情報の提供」36.9%など、情報精度の向上に期待する声が多かった。
バナー写真 : PIXTA