出生数、初の80万人割れ―22年人口動態統計 : 死亡数は過去最多で人口減に拍車
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出生数は過去最少、死亡数は過去最多で、人口減が深刻化している。岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を掲げ、6月に策定する「骨太の方針」に合わせて、子ども・子育て予算の将来的な倍増に向けた大枠を示すというが、「将来的な倍増」などと悠長なことを言っている間に、出産適齢世代はますます減少してしまう!
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厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2022年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より4万3169人少ない79万9728人だった。1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込んだ。出産期に当たる世代が減少していることに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大で結婚や妊娠をためらったり、先送りする人が多かったとみられる。
速報値は、日本在住の外国人や在外日本人の数が含まれる。6月に発表される確定値は、日本に住む日本人の数で集計するため、速報値より少なくなるのは確実。国立社会保障・人口問題研究所は、確定値で80万人を割れを30年と推計しており、想定より8年も早いペースで少子化が進んでいる。
日本の人口動態
2022年 | 2021年 | |
---|---|---|
出生数(人) | 79万9728 | 84万2897 |
死亡数(人) | 158万2033 | 145万2289 |
自然増減(人) | ▲78万2305 | ▲60万9392 |
婚姻数(件) | 51万9823 | 51万4242 |
離婚数(件) | 18万3103 | 18万7854 |
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成、22年21年ともに速報値
死亡数は前年比12万9744人増の158万2033人で過去最多を記録。人口の自然減(出生数と死亡数の差)は21年に初めて60万人を超えたが、22年は78万2305人となり人口減に拍車がかかった。
日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年以降は自然減の幅が拡大している。
22年の婚姻件数は、51万9823組と3年ぶりに増加したものの、底ばいが続いている。日本では婚姻前や婚姻外の妊娠を歓迎しないムードが強く、婚姻件数の低迷が続く限り、出生数の回復にも期待が持てない。
バナー写真 : PIXTA