景況感低迷する日本―中堅企業経営者調査 : インフレ率超の賃上げはわずか11%
経済・ビジネス 社会 仕事・労働
国際会計事務所グラントソントンが、世界28カ国の中堅企業の経営層を対象に実施した意識調査で、日本の経営者の景況感は下から3番目だった。明るい兆しにもすぐには反応できない慎重で悲観的な国民性なのか…それとも、本当に世界屈指の先行きの暗さなのか…。
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ロンドンに本部を置く国際会計事務所グラントソントンが、世界28カ国4776社の中堅企業の経営層を対象に2022年10-12月に実施した意識調査で、日本の経営者の今後1年間の景況感は前回調査(22年5-6月)比6ポイント減の17%だった。
調査対象28カ国の平均景況感は、同5ポイント減の59%。28カ国中23カ国で前回調査と比べて景況感の低下しており、悲観論が大勢を占めるが、日本の景況感の悪さは群を抜いている。景況感が日本より低かったのはスウェーデン13%と韓国8%の2カ国のみだった。
米国は前回調査比9ポイント減の72%を記録したが、中国と同様に引き続きランキング上位にとどまった。英国は13ポイント減と大きく低下し、46%となった。
今後1年間の自社の従業員に支払う賃金の見通しについて、「賃上げ(インフレ率以下~インフレ率超までの合計)」は全調査国平均82%に対して、日本は76%でそれほど大きな遜色はなかった。しかし、「インフレ率を超える賃上げ」を予定するとの回答は、全調査対象国平均24%に対して、日本は半分以下の11%にとどまった。
バナー写真 : PIXTA