鳥インフル過去最悪、殺処分1000万羽超 : 鶏卵価格高止まり
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鳥インフルエンザが過去最悪の被害をもたらしている。今季の殺処分数は1月10日時点で1000万羽を超え、このうち9割以上が採卵鶏。物価の優等生と呼ばれた卵の価格も高止まりしている。
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全国で鳥インフルエンザが猛威を振るっている。2022/23年シーズンは、10月末に岡山県倉敷市、北海道厚真町で確認されて以降、23県で57事例が発生。1シーズンの殺処分数としては過去最多だった2020年度の987万羽を超え、1月10日時点で1008万羽となった。
高病原性鳥インフルは今季、世界的な流行を背景に、国内でも猛威を振るっている。渡り鳥や野鳥の感染が例年以上の頻度で判明。政府は全国の養鶏場で緊急消毒を実施するほか、発生農場の周辺のため池の水抜きをして野鳥が滞留しないようにするなど防疫の措置の徹底を求めている。
2022/23年シーズンの鳥インフルエンザ発生県別の殺処分数
都道府県 | 発生件数 | 殺処分数 |
---|---|---|
茨城(採卵鶏全国1位) | 2 | 208.0万羽 |
青森 | 2 | 150.0万羽 |
新潟 | 2 | 145.6万羽 |
鹿児島 | 12 | 140.3万羽 |
岡山 | 3 | 73.7万羽 |
広島 | 4 | 72.4万羽 |
出所 : 農林水産省の公表資料を基に編集部作成(2023年1月10日時点)
全殺処分数のうち、採卵鶏が9割超を占める。JA全農たまごの相場情報によると、10日時点の鶏卵卸売価格は1キロ当たり260円(東京、Mサイズ)と、22年1月の平均価格(151円)を100円以上上回っている。
バナー写真 : 鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場で、鶏の殺処分に臨む茨城県職員ら(2023年1月9日撮影・茨城県提供=時事)