交通事故死者、6年連続最少更新2610人 : 高齢者が56.7%占める
社会 健康・医療
衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術が進化や、ドライブレコーダーの搭載が進むなど安全意識の高まりも奏功し、交通事故死者数は6年連続で最少を更新した。しかし、2025年までに2000人以下とする政府目標の達成にはさらなる努力が必要。
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2022年の交通事故による死亡者の数は前年比26人減の2610人で、6年連続で統計が残る1948年以来の最少を更新した。政府は、25年までに年間死者数を2000人以下とする目標を掲げている。人口10万人当たりの死亡者数は、最も多かった1970年(16.33人)の8分の1近い2.08人となった。交通事故件数は前年比より4003件少ない30万1193件だった。
都道府県別の死亡者数は大阪府が141人で最も多く、愛知137人、東京132人が続いた。最少は鳥取の14人。人口10万人当たりの死亡者数は全国平均が2.08人のところ、岡山が3.94人で最多。高知3.80、香川3.72人、愛媛3.33人、徳島3.23人と四国4県はいずれも3以上と平均を大きく上回った。最少は東京の0.94。
交通事故による死亡者数は、1950年代から60年代にかけて自動車の普及とともに急増。「交通戦争」とまで呼ばれるほどだった1970年に最多の1万6765人を記録。運転席・助手席のシートベルト着用が、1985年高速道路・自動車専用道路で義務化、1992年一般道で義務化されたことに加えて、1990年代中盤頃からエアバッグの普及が急速に進むなど安全装備の向上などがあり、死亡者数は漸減。また、近年は衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術が進化していることや、ドライブレコーダーの搭載が進むなど安全意識の高まりも奏功しているとみられる。
65歳以上の高齢者の死者数は前年より49人減の1171人となったが、死者全体に占める割合は56.4%と高い水準が続いている。さらなる死亡事故の抑制には、高齢者事故対策が欠かせない。
バナー写真 : PIXTA