日本の不妊治療:「子ども持ちたい」と決めてから妊娠まで平均6.4年―製薬会社の実態調査
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調査は、製薬会社のフェリング・ファーマが2022年2月から4月にかけ、本人かパートナーが不妊と診断された217人を対象に実施。診断までの経緯や、治療の状況などについてオンラインで回答を求めた。日本だけでなく、韓国やインド、シンガポール、ベトナム、インドネシアでも同様の調査を行った。
それによると、日本では217人のうち197人が不妊治療を開始。治療の結果妊娠に至った人が115人、治療継続中が51人、治療を中止した人が31人だった。197人のうち、IVF(対外受精)を含む治療を受けた(または現在も受けている)人は113人に上った。
夫婦が子どもを持ちたいと決めてから、不妊治療を受けて妊娠するまでの期間は、平均6.4年。まず自然妊娠に至らずに、病院を受診するまでが3.2年。また、診断を受けてから不妊治療を開始するまでが1.3年、その後、治療の結果、実際に妊娠するまでが1.9年だった。
日本、韓国、インドの3カ国の調査結果と、調査対象者の年齢分布を下図にまとめた。
日本は調査対象者の年齢が比較的高いからか、受診するまでの期間、診断から治療開始までの期間は短い一方、治療開始から妊娠までの期間は長くなっている。
この調査結果について、女子栄養大学臨床医学研究室の石原理教授は「初婚・初産や、人口受精を伴う不妊治療対象者の年齢が高齢化している日本では、医療機関受診までの期間短縮が課題であると考えられる」とコメントしている。
晩婚化・晩産化の進展を受け、不妊検査・治療を受けるカップルの数は年々増加。これまではかなりの経済的負担が伴ったが、22年4月から不妊治療における基本的な治療が保険適用となった。
日本産科婦人科学会によると、20年に実施された不妊治療の体外受精により誕生した子どもは6万381人に上った。
バナー写真:PIXTA