北朝鮮ミサイル発射でJアラート:発令は2017年以来5年ぶり
政治・外交
10月4日午前7時29分ごろ、政府は「北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとみられる」として、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使った「国民保護に関する情報」を出した。Jアラートの発令は2017年9月以来5年ぶり。
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松野博一官房長官は同日午前の記者会見で、ミサイルは東北上空を通過し、4000キロ以上飛行して日本の排他的経済水域(EEZ)外の太平洋上に落下したとみられることを明らかにした。
Jアラートは、弾道ミサイル発射などを含む有事関連情報のほか、地震、津波、火山などの情報を政府から地方自治体、全国の住民に瞬時に伝える情報システム。通信衛星を使い、市町村の防災行政無線、有線放送などを自動起動させることで、サイレンや放送で緊急情報を人々に周知する。
2007年に一部で運用が開始され、11年に全国ほぼ全ての自治体で機器の整備が完了した。これまでの主な発令事例は以下の通り。
これまでの主なJアラート発令事案
2010年2月 | チリ地震で発生した津波について津波警報・注意報を速報 |
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2011年3月 | 東日本大震災で大津波警報などを発令 |
2012年12月 | 北朝鮮によるミサイル発射の情報を沖縄県で発令 |
2016年2月 | 北朝鮮によるミサイル発射の情報発令。同国はロケット「光明星」の打ち上げと主張 |
2017年8月 | 北朝鮮によるミサイル発射の情報を北日本、東日本の12道県に発令。「火星12」で、日本列島上空を通過して襟裳岬の東1180キロの太平洋上に着水 |
9月 | 北朝鮮によるミサイル発射の情報発令。「火星12」で、日本列島上空を通過して襟裳岬の東2200キロの太平洋上に着水 |
政府によると、Jアラートは、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性がある場合、または領土・領海を通過する可能性がある場合に使用する。北朝鮮は今年に入り、日本海に向けてのミサイル発射を繰り返しているが、今回は日本列島上空を通過するルートの中距離弾道ミサイルだったとみられる。
Jアラートが発令された場合、住民は近くの建物や地下への避難が要請される。また、公共交通機関の運行は一時停止される。今回も北海道、東北地方の鉄道は発令から20分ほど運転を見合わせ、JR北海道では運休する列車も出た。
バナー写真:北朝鮮による弾道ミサイル発射試験の映像をテレビで見る韓国の人々=2022年9月25日、ソウル市内(AFP=時事)