大迫の活躍で「半端ない」に市民権? ―文化庁・国語に関する世論調査
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2018年のサッカー・ワールドカップロシア大会の対コロンビア戦、日本代表は南米勢から初の勝利を挙げた。フォワードの大迫勇也選手の大活躍を称賛する「大迫、半端ないって」という言葉は、その年の新語・流行語大賞の候補にもなった。
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文化庁の「国語に関する世論調査」では、著名人の発言やテレビなどで繰り返し使われた比較的新しい言い回しや、本来とは異なる意味で用いられるようになった言葉が一般に定着したかについて調べている。
「すごく速い」と言うべきところを、「すごい速い」を使うと答えた人は、1996年度調査では43.1%だった。使う人の割合は徐々に増加し、2021年度調査では59.0%とほぼ6割。年代別では、10代~40代までは「使う」人が7割を超えている。
「なにげなく」を「なにげに」に置き換えて使う人は、96年度は8.8%と1割にも満たなかったが、21年度は47.1%まで増えた。
「中途半端でない」を「半端ない」と省略する言い方は、「使う」と答えた人は2011年時点では20.1%だったが、21年度は46.4%。2018年のサッカー・ワールドカップでの日本代表の大迫勇也選手の活躍で「大迫半端ないって」が流行語となり、広く使われるようになったとみられる。
「打ち明ける」「ぶっちゃける」から変化した「ぶっちゃけ」を、「使うことがある」とした人は全体で41.4%。年代別では10代から50代まで広く浸透しており、30代では70.6%が使っている。
一方、実態などを分かりやすく示すことを意味する「見える化」は、30代~50代で30%を超えているものの、全体的な定着度は低かった。
「国語に関する世論調査」は1995年度から毎年実施。無作為に選んだ16歳以上の6000人にアンケートを郵送、約3600人から回答を得た
バナー写真 : 2018年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の1次リーグ・コロンビア戦で、2点目を決め喜ぶ大迫勇也選手(中央)(時事)