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教職員の働き過ぎ:月の時間外勤務123時間、「過労死ライン」超え

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休日もクラブ活動指導などで忙殺される小・中・高校の教員の働き過ぎは、ほとんど改善されていない。連合総合生活開発研究所(連合総研)の調査によると、1カ月の時間外勤務は123時間16分に達しており、労働基準法に基づく「上限45時間」を大幅に上回っているほか、いわゆる「過労死ライン」も超えている。

調査は、連合総研が6月に教職員10010人を対象に行った。有効回答率は92.1%。

それによると、勤務日の平均在校時間は11時間21分。前回調査(2015年)の11時間29分に比べて8分ほど短くなったものの、高止まりしている。さらに自宅に仕事を持ち帰っての労働時間を加えると、12時間7分となり、所定労働時間(7時間45分)を4時間以上も上回っている。

また、クラブ活動などに費やされる時間もあり、週休日も3時間24分働いていることが分かった。月に換算すると、労働時間は293時間46分。前回調査よりも6分ほど短くなったが、所定労働時間を123時間16分上回った。労働安全衛生法は、「健康障害発症前1カ月の時間外勤務100時間超え」などを「過労死ライン」としており、教員の多くは健康を損ねかねない危険な状態にある。

連合総研が「働き方改革」を進めるために行うべきことを質問したところ、登下校指導や徴収金の外部委託など「業務の役割分担見直し」や「校内会議の時短」などの声が多く聞かれた。また、国や自治体に望むことは「教職員配置の増加」が最も多かった。学習指導要領改訂に伴う業務の負担感については、小中学校では「外国語と道徳の授業準備と評価」、高校では「主権者教育・金融教育の導入」が挙げられている。

さらに、教員の仕事を人に勧めるかという問いに対して、「勧めない」が57.6%を占めており、その理由として「業務量が多い」「勤務時間が長い」「精神的負荷が大きい」が上位を占めた。

バナー写真:PIXTA

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