消費者物価、2.8%上昇 : 30年11カ月ぶりの水準
経済・ビジネス 政治・外交
政府・日銀の悲願だった「物価安定目標2%」を5カ月連続でクリア! といっても、消費者にうれしさは微塵もない。給料は上がらないのに、食品や生活必需品の値上がりにため息が出るばかり。悪い物価上昇を実感。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
総務省が発表した2022年8月全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が102.5と、前年同月比2.8%上昇。消費税の8%への増税が影響した14年度を除くと、1991年9月(2.8%)以来、30年11カ月ぶりの水準。ロシアのウクライナ侵攻以降のエネルギー価格の高騰に加えて、円安の進行が輸入品価格を押し上げている。
項目別では、食料(生鮮除く)が4.1%増と7月の3.7%から0.4ポイント拡大。原材料高、燃料価格の上昇による輸送コスト増に円安が追い打ちを掛け、輸入品を中心に幅広い品目が値上がりしている。
電気代が21.5%(7月=19.6%)、都市ガス代は26.4%(7月=24.3%)などエネルギー関連が16.9%上昇(7月=16.2%)と上昇した。
消費者物価指数の前年同月比プラスは12カ月連続。政府・日銀が「物価安定目標」として掲げてきた2%を上回るのは4月から5カ月連続だ。ただ、好景気を背景にした需要の増加に起因する物価上昇ではない。コスト増で物価が上がっても、賃上げはなく家計の負担が増すだけ。消費冷え込みから景気減速への悪循環に陥る懸念もある。
政府はこうした物価高に対応するため、新型コロナウイルス・物価高対策予備費から3兆4846億円を支出することを9月20日に閣議決定。石油元売り会社に配るガソリン補助金の年末まで延長し、住民税非課税世帯に現金5万円を給付する。
バナー写真 : PIXTA