毒キノコにご用心:この10年間に食中毒患者820人、死者3人
社会 暮らし
秋の代表的な味覚の一つがキノコ類。しかし、毒キノコを誤って食べ、食中毒になる事例も毎年出ている。
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厚生労働省によると、2012年から21年の10年間で、毒キノコによる食中毒事件は302件発生。具合の悪くなった患者は820人に上り、死者も3人出ている。
食中毒の発生は、キノコ採りのシーズンとなる9月、10月に集中。大半が地元の人やハイカーによって採られたキノコによるものだが、年に1件ほどは販売されたキノコに毒キノコが交じり、食中毒が発生している。
キノコの種類別で最も多いのが、毒キノコの「ツキヨタケ」をヒラタケやムキタケ、シイタケと間違えて食べるケース。患者数でみると、全体の56%と半数以上を占める。次いで、ホンシメジなどに似ている毒キノコ「クサウラベニタケ」、シイタケなどに似ている毒キノコの「カキシメジ」による被害が多い。
同省や農林水産省などの担当者は「食用のキノコだと確実に判断できないキノコは、採らない、食べない、売らない、人にあげないを徹底してほしい」と呼び掛けている。
ツキヨタケは、ブナ、イタヤカエデなどの幹に重なり合って発生。傘の大きさは10センチから20センチ程度になり、ヒラタケなどの食用キノコと間違えるケースがある。食べてから30分から1時間程度で嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などの中毒症状が現れる。
触るだけで炎症を起こす猛毒キノコも
一方、夏から秋にかけ、ブナ,コナラなどの広葉樹林の地上に色鮮やかな赤やオレンジ色で手の指が出てくるような形で群生して発生する「カエンタケ」は、触るだけでも皮膚がただれる猛毒キノコだ。
食用キノコと見間違うことはないが、山間部だけでなく、都市近郊の公園などでも見つかっているので、子どもが誤って手を触れないように十分な注意か必要だ。
バナー写真:ツキヨタケ(PIXTA)