沖縄県知事選 : 辺野古移設反対の玉城デニー氏勝利 、国と県の対立は続く
政治・外交 安保・防衛 地域 社会
任期満了に伴う沖縄県知事選の投開票が2022年9月11日実施され、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する現職の玉城デニー氏が、移設を容認する前宜野湾市長の佐喜真淳氏らを破り再選された。
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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非を争った沖縄県知事選は、移設に反対する現職の玉城デニー氏が再選された。自民党の推薦候補は2014年、18年に続き知事選3連敗。
玉城県政が続くことで、普天間飛行場の辺野古移設をめぐる県と国の対立の構図も維持されることになる。普天間飛行場問題をめぐるこれまでの経緯をまとめた。
普天間飛行場問題をめぐる経緯
2022年9月 | 【知事選】玉城デニー氏が再選 |
2022年8月 | 沖縄県が設計変更の不承認を取り消した国を提訴、法廷闘争へ |
2022年4月 | 国土交通省が沖縄県の設計変更不承認処分を取り消し |
2022年2月 | 名護市長選で移設容認派が推す現職が勝利 |
2021年11月 | 防衛省の設計変更の申請を沖縄県が不承認 |
2020年4月 | 防衛省が工事の予定海域の軟弱地盤改良のため、設計変更を県に申請した |
2019年2月 | 辺野古移設の是非を問う県民投票、反対票が7割超える |
2018年9月 | 【知事選】翁長知事の遺志を引き継ぐ形で移設反対派の玉城デニー氏が当選 |
2018年8月 | 翁長知事、すい臓がんのため死去 |
2018年7月 | 翁長知事が埋め立て承認撤回 |
2017年12月 | 普天間基地所属の大型輸送ヘリの部品、窓(約7.7キロ)が普天間第二小学校グラウンドに落下 |
2017年10月 | 普天間基地所属の大型輸送ヘリが東村の民間地に緊急着陸、炎上 |
2016年12月 | 普天間基地所属のオスプレイが名護市の沿岸に不時着して大破 |
2014年11月 | 【知事選】仲井真氏が破れ、辺野古移設反対を唱えた翁長雄志氏当選 |
2013年12月 | 仲井真知事が辺野古埋め立て承認 |
2012年10月 | 普天間基地にオスプレイ配備 |
2010年11月 | 【知事選】仲井真氏が県外移設掲げて再選 |
2010年5月 | 鳩山内閣、県外移設を断念、日米両政府が辺野古移設確認 |
2009年7月 | 鳩山由紀夫民主党代表が、総選挙を前に「最低でも県外」と発言。9月に民主党政権発足 |
2006年11月 | 【知事選】県内移設に柔軟姿勢を示した仲井真弘多氏が当選 |
2004年8月 | 普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大学に米軍の大型ヘリ墜落 |
2003年11月 | 米ラムズフェルド国防長官が上空から普天間基地を視察、「世界一危険な米軍施設」と発言 |
2002年11月 | 【知事選】辺野古沖移設容認の稲嶺知事再選 |
1999年12月 | 普天間飛行場の移設に係る政府方針を閣議決定 |
1999年11月 | 稲嶺知事が軍民共用を条件に移設候補地として名護市辺野古沿岸域を表明 |
1998年11月 | 【知事選】大田氏が破れ、容認派の稲嶺恵一氏が当選 |
1998年2月 | 大田昌秀知事が移設受け入れ拒否 |
1997年12月 | 名護市の住民投票で普天間移設反対が過半数 |
1997年11月 | 政府が名護市辺野古沖への海上ヘリポート建設案 |
1996年9月 | 米軍基地の整理縮小などを問う県民投票で、賛成が89%(当日有権者数の半数超える) |
1996年4月 | 橋本龍太郎首相、米・モンデール駐日大使、普天間飛行場の全面返還を表明 |
1995年9月 | 米海兵隊員らによる少女暴行事件、翌10月に事件に抗議する県民総決起大会 |
沖縄県、宜野湾市、名護市のウェブサイトの情報、各種報道を基に編集部作成
バナー写真:当選確実の報を受け、花束を手に笑顔を見せる玉城デニー氏=2022年9月11日、那覇市(時事)