物価上昇、低所得者にとっては「消費税3%分」のインパクト
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みずほリサーチ&テクノロジーズは、食料・エネルギー価格の上昇が年収階級別にどの程度響くかを試算。前提条件として、原油価格(WTI)が1バレル=108ドル程度、円・ドル相場が1ドル=135円程度で推移すると仮定した。またコアCPI(変動の激しい生鮮食品を除く消費者物価)は前年比2%台の上昇率が続くと予想している。
それによると、燃料油価格が一定水準以上に上がらないように補助金で補てんする激変緩和措置を政府が9月以降、延長したとしても、2022年の家計支出は1世帯当たり平均で6.5万円程度増加する見通し。年収別でみると、1000万円以上の高所得者層では年収に対する負担増が0.6%にとどまるの対し、300万円未満の低所得者層では2.2%もの負担増になる。これは「消費税率3%分」に相当するという。
2.2%と3%では数字にやや開きがあるが、消費税が3%引き上げられた場合の年収比での負担増は、非課税品目などを加味すると2.4%増となっており、2.2%増はほぼこれに匹敵する。
食料・エネルギー価格上昇に伴う年収階級別の負担増
年間収入 | 2022年の年間負担増額(円) | 負担率の増分(%) |
---|---|---|
300万円未満 | 51901 | 2.2 |
300万~400万円 | 57796 | 1.7 |
400万~500万円 | 62562 | 1.4 |
500万~600万円 | 64873 | 1.2 |
600万~700万円 | 67100 | 1 |
700万~800万円 | 68035 | 0.9 |
800万~900万円 | 72012 | 0.9 |
900万~1000万円 | 74347 | 0.8 |
1000万円以上 | 79585 | 0.6 |
全体平均 | 64697 | 1 |
注・燃料油価格の激変緩和措置が2022年中、継続すると仮定。負担率は年収対比
出典:総務省の家計調査より、みずほリサーチ&テクノロジーズが作成
さらに日銀の「生活意識に関するアンケート調査」を基に、同社が物価の「肌感覚」を数値化した「体感物価」は2022年に入り、急上昇。その半面、名目賃金は伸び悩み、両者の格差は大きく開いている。
コロナ禍で消費が減り、積み上がった家計貯蓄が物価高に対するバッファー(緩衝材)になるとの考え方もあるが、それはあくまでも高所得者層の話。「コロナ禍で打撃を受けたサービス業従事者は収入が大きく減り、資産形成どころではない。また十分な貯蓄を持たない年金生活者は年金受給しか収入がなく、こうした人々にとって食品など日用品の物価高は大きく響く」と、同社主席エコノミストの酒井才介氏は話している。
バナー写真:PIXTA